「SOMNIA」のアートワークについて

タルトゲームズのゲームマーケット2019秋新作「SOMNIA」のアートワークを担当させていただきました。



タルトゲームズのカズマさんからは前作「三津浜」と前々作「ラミーファイブ」のアートのご依頼もいただきました。




カズマさんは指示がめちゃくちゃ丁寧で、毎回はじめにゲームの概要や仕様などをスプレッドシートにまとめて共有してもらっています。
ゲーム全体の予算や採算見積(お互いの取り分)までご連絡いただけるので、デザイン制作費にも納得がいきやすくありがたいです。


これを見ながら音声チャットを使いオンラインの打ち合わせを行います。
今回はルールだけありテーマをどうしようかというところで、ざっくばらんに案を出しあいました。
今回は私が描いてみたいと思っていた「少し怖くておどろおどろしい夢の中」というテーマを提案すると即「イイネ!」となり、カズマさんの悪夢のイメージも足していきました。

コンセプトアート……とまではいきませんが、箱絵のイメージも兼ねたラフ。この時点で全体の色味もぼんやりと決めていました。

目指した世界観については、以前にプレイして印象深かったツクール系PCソフトの「オシチヤ」「ゆめにっき」「Ib」といったアドベンチャーゲームで、意味深で陰りがありながらコミカルなキャラクターと懐かしげな雰囲気のイメージでした。
また、「エドワード・ゴーリー」の絵本のイメージでモノトーンにし、子ども目線で描いた粗いグラフィックをあわせました。

その後はtwitterDMでブレインストーミングしながら提案と修正を重ねました。
メールでのやりとりは会話履歴を辿りやすいという良さがありますが、DMやチャットでラフに意見交換ができるのはかなりありがたいです。
テストプレイ用のカードデータを作成したり、プリントしてモックを作成しパーツのサイズを確認・修正したりもします。
カード→チップ→箱→説明書の順に仕上げ、印刷所の早割プランで無事入稿。
大体の提案はほぼOKをいただくのでトントン拍子で進みました。

悪夢がテーマなだけあって、制作中は変な夢を何度も見ました。
その夢のなかで、"箱の底面(裏面)を迷路にする"というアイデアを思いつき実装。
↓ちら見せです。道は側面まで回り込んでいるのでフタを開けないとゴールに行けないようになっています。



 
説明書にはカードのグラフィックに登場する「夢の住人たち」の紹介スペースがあります。今回はとくに読みやすく、トリックテイキングゲームに詳しくない方も遊びやすいルールブックになったと思います。カズマさんの素案に対してリライト案を提出し、レイアウトの面割を送付してから細部を詰めました。

ソムニアには「BAD END」をいくつか用意しています。このあたりもツクール系ゲームのイメージでフレーバーづけしました。ままならなくてBAD ENDでも「次は勝てるようにプレイできそう!」と思えるゲームだと思いますので、連戦したり永く遊んでいただけたらいいなと思います。


そんなわけで、タルトゲームズのゲームマーケット19秋新作 SOMNIA(ソムニア)をよろしくお願いします!





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