個人的怒涛の独立までを振り返る

社員時代


私は京都市内のデザイン会社にグラフィックデザイナーとして7年ほど在籍していました。
勤め先の案件はWebが主流になりDTP案件が減ったことから、このまま自分の仕事はなくなるのだろうか…とぼんやり不安を抱えながら毎日出勤してました。
(Webデザインは何度やってもしっくりこず、グラフィックとは違う畑だなあと感じています)

アートワーク


好きなボードゲームのサマリーを個人的に作ってはTwitterやブログにアップしていて、これが仕事をいただくきっかけになったと思います。
2017年ころから本格的にボードゲーム関係の仕事を受け始めました。ゲームNOWAかぶけんさんの紹介でアソビションさんのエルタイルズ、数寄ゲームズのトリテシリーズ、タルトゲームズのカズマさんからゲムマ新作のアートなど。

Engames


2018年。ペーパーテイルズの購入ツイートをしたところ、販売元のEngamesのオーナー杉木さんからお礼のリプライがきました。ほどなくして仕事の依頼も。この辺から何かが変わってきた気がします。
当時Engamesはボードゲームの出版を始めたばかりで、私にとってはサグラダやペーパーテイルズで有名なパブリッシャーというイメージがあって恐縮していました。
実は以前にアナクロニー日本語版のルールブックを(部分的に)お手伝いしたことがあり、その時お世話になった担当者さん(現ユニオンテイルズの北野さん)がEngamesを辞めてからDTP関係ができる人を探しているとのことで、ローカライズ出版物の案件を継続して発注いただけるようになりました。
Welcome to...やペーパーテイルズ・サグラダの拡張など。
アソビション出版のimprovement of the POLISもこの年です。

鬱った


まだ会社勤めだったので、こっそり職場で個人案件を並行していました。
そしてキャパオーバーだったのか、この年の異常気象と台風のせいか、国際情勢のせいだったのかわかりませんが鬱病を患いました。
毎晩眠れずパニック状態で、ひたすらネットで解決策を調べたり思考整理のためのノートをつけたりしました。今考えると気にならないようなことがその時はとても気になって、不安の対象がころころ変わっていました。
杉木さんにはめちゃくちゃ迷惑をかけました。
受注した仕事を完成させられないという不安に襲われてキャンセルしたり、打ち合わせをドタキャンしたり、ゲームマーケット(Engamesブースの手伝い)3日前になって東京行きを断念したり。
鬱病の方にはわかるかもしれませんが、
私はやれる、迷惑かけないようにしなきゃ←→やっぱりだめだああああウワアアアア の気持ちを繰り返す状態でした。
杉木さんはそれらをかなり寛容にOKし、身体の心配をしてくださいました。
独立を検討していてEngames案件にすがるような思いだったので、あの時杉木さんに優しく接していただけなかったら色々とだめになっていたと思います。本当に感謝です…

2つのトリテ



2019年、通院と服薬、パートナーのとりっくまさんの支えもあって徐々に回復し、独立の決意をしました。
その決め手になった理由は2つ。
・Engames出版の「ノコスダイス」新版のアートワーク担当になったこと。
・数寄ゲームズ出版の「命中」リメイク(現 : 地下迷宮と5つの部族)のフレーバー提案・アートワーク担当になったこと。
ノコスダイスと命中はどちらも大好き(で入手困難)なトリックテイキングゲームで、一度きりの人生このチャンスのために安定を捨てても構わない!!!という気持ちでした。
ノコスダイスは斬新なパッケージで好評いただき、地下迷宮と5つの部族はオールドな名作をキャッチーにして現代人に楽しんでもらうという狙いがうまくいったと思っています。

独立について


ボードゲームのアートワークだけで暮らしている人を他に知らなかったので不安はありました。あと、好きなことを仕事にして嫌いになってしまわないかとか。
が、杞憂でした。ボードゲームに対するスタンスは少し変わったかもしれませんが相変わらずボドゲ大好きです。
あと税金や経理や書類関係もちんぷんかんぷんで不安でしたがなんとかなっています(のはず)。
おかげさまで独立して無事一年が経ちました。

無理やりまとめると


人生案外なんとでもなるので、鬱になりかけたら無理せず休もう!!!!!ね!ということです。
私はだいぶ運がいいと思います。
昨年は念願のエッセンに行けて、フリーになって本当によかった…これから毎年行きます!

以上、読んでくださってありがとさまです。

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